満月の模様を見て、その明暗から思わず餅つきをするウサギを探してしまう方も多いでしょう。
日本人特有の感覚のように思えますが、韓国でも同じですし、中国では「不老不死の薬を作っているウサギ」といわれています。
また、インドの神話を由来とする説もあります。
世界の国々ではどのように見えているのでしょうか?
ワニとして捉えている地域もありますので、ご紹介します。
月の模様の見え方は世界各地で異なる
月の白い部分はクレーターの多い高地、黒い部分は「月の海」といわれる低地です。
白い部分と黒い部分、どちらに形を捉えるかは地域によって異なります。
例えば、「餅つきウサギ」は黒い部分がウサギと杵と臼に見えます。
東ヨーロッパでは、白い部分が「女性の横顔」といわれています。
他にも、南ヨーロッパでは「カニ」、北ヨーロッパでは「本を読むおばあさん」など、同じヨーロッパの地域でも見え方が異なります。
モンゴルでは「犬」、ドイツでは「薪を担ぐ男」、オランダでは「大きな木の下で休む男」、アラビアでは「吠えるライオン」など、世界中で同じ月を見ていても全く違うイメージを抱いているというのは興味深いですね。
ワニに見える?
インド、アメリカ南部では月の模様を「ワニ」に見立てています。
インドでは、インドガビアルという細長いクチバシのような口を持ったワニがいます。
魚などを食べ、あまり人を襲わないといわれており、現在では絶滅危惧種に指定されています。
一方アメリカ南部、特にフロリダ州では海水以外の水辺(川、池、湖など)にはワニがいるといわれるほどワニの出没率が高いことで有名です。
人間がワニに襲われる事件も度々報告されています。
アメリカワニはワニの中でも最大級の種類ですが、性格は臆病で人間を見ると逃げることが多いようです。
アメリカアリゲーター(ミシシッピワニ)も基本的には温和な性格ですが、牛や熊を襲う勇猛な一面もみられます。
まとめ
恐竜が地球上に君臨するよりも前に登場していたワニですので、人間やその暮らしとも長い関わり合いがあります。
人間は大きく強いものに畏敬の念を抱きますので、月の模様をワニに見立てる人々の心が表れたのかもしれませんね。